ワシントン州から旅館「薩摩の里」の女将へ
石脇りおら(旧姓リオラ・スチュワート)さん (1985年卒業 教養学部 祇園時信彦ゼミ ゴルフ部)

アメリカ・ワシントン州出身の石脇りおらさんは1985年3月に教養学部を卒業後、ブリタニカ、ドールジャパンに勤務。ご結婚後に旦那様の郷里・鹿児島で旅館「薩摩の里」を手伝うことになり、現在は女将として旅館経営をされています。
「旅館「薩摩の里」は鹿児島空港近郊の市比野温泉街から少し離れた里山にある温泉宿です。自然に包まれ、季節を感じ、温泉で体を癒す、田舎の穏やかな時間が流れる場所です。鹿児島にお越しの際は、私どもの旅館「薩摩の里」にお泊りいただけると、大変嬉しいです」と述べられています。

10歳でシアトルから単身日本へ
東京国際大学教養学部17期卒の石脇りおら(旧姓リオラ・スチュワート)と申します。 アメリカ・ワシントン州シアトル郊外の小さな町Port Townsend出身で、アメリカ人の父と日本人の母、姉と弟との5人家族で10歳まで暮らしました。
父には「日本の教育レベルは高い。せっかく優秀な日本人の血が流れているのだから日本の教育を受けさせたい」という考えがありました。母方の伯母がよくアメリカに遊びに来ていて伯母になついていたし、伯母には子供もおりませんでしたので、私を自分の子供のように育ててくれました。
日本に来て驚きと戸惑いの連続で、日本語は全く話せなかったので、日本の教育に慣れるまで苦しかったですね。

「世界に目を向けなければ」という伯母の薦めで東京国際大学に入学
茨城県の土浦日大高等学校を卒業して、獣医になりたくて日本大学へ進みましたが、「これからは世界に目を向けなければ」という伯母の薦めもあって、獣医学部を途中で断念しました。
東京国際大学に入学したのですが、茨城県牛久の叔母の家から2時間半かけて通学。加えて門限が9時でしたので、毎日時間との戦いで忙しかったですね。でもゴルフ部、ゼミでの研究、そしてアルバイトと精一杯大学生活をエンジョイしました。アルバイトは、今はもうありませんが、銀座の日本堂というお店で時計の販売を担当しました。外国人旅行客の接客を2~3年勤めました。

卒業後、ゴルフ部の仲間からの力添えでブリタニカに入社し、北海道で英語教師として8年間勤めました。そして上司の紹介でドールジャパンへ8年、東京で勤務。副社長の秘書でしたが、ボスがバナナパインを担当していたことから商品部の仕事にも携わりました。

夫との出会いから鹿児島へ、旅館「薩摩の里」を手伝うことに
ドールジャパンを辞めてのんびりしているときに、夫と出会いました。私の変わった性格、つまり日本人的だけどアメリカ人的な自分を理解してくれる人は少なく、彼はその中の一人でした。そして結婚。それから「帰郷して仕事を手伝ってほしい」という夫の兄の要請で、夫の郷里・鹿児島で旅館「薩摩の里」を手伝うことになったのです。 九州は初めてでしたが、日本に来た時と状況は同じ、何とかなると思ったのです。でも現実は大きく違っていました。まずは言葉、方言には悩まされました。そして味、鹿児島独特の甘さです。ちょっと苦手でしたが、今は慣れてしまいました。

日本的な部分とアメリカ的な部分を融合して、女将業に専念しています
見た目が日本人ではないので、皆が心配して表の仕事はさせてくれませんでした。でも私の好奇心・チャレンジ精神が芽を出し、いつのまにか表の仕事もこなすようになり、女将として働いています。私は旅館の表の顔「女将」、夫は裏方の社長として二人三脚で頑張っています。 私の中には日本的な部分とアメリカ的な部分があります。お花を生けるとき心が落ち着くし、日本の美・和の心に惹かれます。でも「日本人の本音とたてまえ」を理解するのは難しい。また、自己主張という面ではアメリカ的なのでしょうね。両親の2つのDNAを融合させて、自分らしく生きていきたいと思っています。

時間の流れが変わる宿「薩摩の里」は里山にある温泉宿です。
是非とも、皆様方に昔ながらの温泉宿にお越しいただきたく、私どもの旅館「薩摩の里」の紹介をさせていただきます。 鹿児島県薩摩川内市の市比野温泉は江戸時代から湯治場として栄えた歴史ある名湯で、泉質の良さは有名で、今でも遠方から多くのお客様がお越しになります。旅館「薩摩の里」は鹿児島空港近郊の市比野温泉街から少し離れた里山にある温泉宿です。鹿児島空港や鹿児島駅からは、車で約一時間の距離です。 自然に包まれ、季節を感じ、温泉で体を癒す、田舎の穏やかな時間が流れる場所です。

100%のトロッとした温泉「美人の湯」
薩摩の里の温泉は、触れてすぐ実感できるトロっとした感触とあがった後のお肌のしっとりスベスベ感という特徴から、「美人の湯」と呼ばれるようになっています。 循環ではない源泉掛け流し、加水・加温なしの100%天然温泉をごゆっくりとお楽しみください。

地元の料理と山海の幸をどうぞ。
鹿児島は海と山の幸に恵まれた地、美味しいもの、美味しい食べ方をお客様にたのしんでいただけるよう鹿児島の郷土料理、旬の素材を使った会席料理、地元の新鮮な魚、地鶏の刺身などをご用意しております。


(旅館の前は緑の絨毯がとても綺麗です) 

(庭園を眺める1階和室) 

 

 (地元の料理と山海の幸をどうぞ)

あるものは昔ながらの里山の風景、ないものは気取ったもの、現代的なもの。お客様にはしばし街中の喧騒を忘れて静けさを味わってもらいたいと思います。源泉かけ流しの天然温泉、美人の湯と美味しい郷土料理なども楽しんでいただけると有難いです。 日本全国から、海外からも泊ってみたい温泉旅館に薦められるように常に質とサービスのレベルアップを目指していきますので、鹿児島にお越しの際は、私どもの旅館「薩摩の里」にお泊りいただけると、大変嬉しいです。

 

 

 

(石脇りおら(旧姓リオラ・スチュワート)さんプロフィール)
アメリカ・シアトル郊外で10歳まで過ごす。
その後、茨城県牛久の伯母の家に住む。
            :
       土浦日本大学高等学校卒
1985年3月 東京国際大学教養学部17期卒 祇園時信彦ゼミ ゴルフ部
       卒業後、ブリタニカ入社、北海道で8年間英語教師
       ドールジャパン(東京)で8年間勤務。副社長秘書、商品部
2000年から 旅館「薩摩の里」を手伝う。現在は女将に専念しています。

鹿児島県市比野温泉 旅館「薩摩の里」
鹿児島県薩摩川内市樋脇町市比野4134 
TEL:0996-38-1012 FAX:0996-38-2061

旅館 薩摩の里ホームページ
https://satsumanosato.jp/
旅館 薩摩の里Facebook
https://www.facebook.com/satsumanosato

 

 

TIU 霞会シンガポール支部