
1986年4月に東京国際大学経済学部を2012年卒業の石渡次郎と申します。卒業式では総代を務めさせていただき大変光栄でした。卒業後は、同年4月、慶應義塾大学法科大学院(いわゆる日本版Law School)の未修3年コース(他学部出身者や社会人経験者などの法曹養成コース)に進学、2015年年3月に大学院を修了しました。
未修コースでは、最初の1年間で、通常は法学部で4年間かける科目を履修しなければいけません。慣れない勉強の上、日々相当量ある予習・復習をこなすだけで精一杯でした。そうした経過もあり、大学院修了の段階では、司法試験に合格する実力が付いていなかったため、しばらく働きながら勉強を続けました。正確には、受験勉強における実力の付け方が分かっていなかったのです。それまでまともに受験勉強を経験していなかった私にとって、司法試験の合格は、想像以上に大きな壁でした。
幸い、慶應には受験勉強に強い仲間がたくさんいたので、先に合格した同期たちには、勉強やメンタル面で、何度も助けてもらいました。彼ら彼女らの支えがなかったら、今の私はありません。ロースクールで素晴らしい仲間たちに出会えたことは、人生の財産です。

(ロースクールで出会えた大切なクラスメイトと)
受験勉強中、色々な職を経験しましたが、特にeディスカバリーを一番長くやりました。これは、アメリカにおける訴訟の情報開示制度で、企業の中にある電子データの選別作業等をする仕事です。具体的には、Antitrust法(日本でいう独占禁止法)やPatent(特許法)関係の案件が多かったです。例えばAntitrust案件では、電化製品の部品αをA社(クライアント)が市場で売るに当たって、競合他社である B 社と談合をした疑いをかけられて、アメリカの司法省から社内の電子データの開示を求められます。その開示に応じなければ、A 社には、ペナルティが科されてしまいます。他方、社内にある電子データの量は膨大なので、提出義務のあるデータを選別している余裕はありません。また、社内弁護士や顧問先事務所とのやり取りは、秘匿特権の対象として保護されるので、当該部分のリダクション作業(いわゆる黒塗り)も必要となります。そこで、そのデータの選別等(前提として、電子データの保全からやります)を、専門の業者に委託します。私は、その委託先に所属していました。
データの選別は、極めて地道な作業でしたが、私たちがいい加減にやると、全てクライアントに跳ね返ってしまうので、常に神経を尖らせながら業務に従事しておりました。
2020年に弁護士登録、現在は八王子市の法律事務所に勤務
2019年9月に司法試験合格、同年11月から1年間の司法修習(医師でいう研修医みたいなもの。全国各地に配属されますが、私は、さいたま配属でした。)を経て、2020年12月17日に弁護士登録、現在は、東京都八王子市にある「南多摩桑都法律事務所」(桑都は、“そうと”と読みます)で働いております。

(司法試験合格)

(弁護士登録)

(ロースクール同期で、私が司法試験に合格するためのヒントをくれた恩人)

(司法修習中の同期の方々と)
色んな文化や価値観を持つ国の人たちと交流できるのは、TIUの良さの一つだと思います
大学入学までの人間関係は限られたものだったので、大学入学後は、色んな学生や国の人たちと交流するよう心がけました。私は留学しませんでしたが、たとえ留学をしなくても、キャンパス内に留学生が溢れていて、色んな文化や価値観を持つ国の人たちと交流できるのは、TIUの良さの一つだと思います。

(TIUの卒業式にて、キャンパスで知り合った留学生たちと)

(大学卒業後も、外国人の友達との交流の輪を大切にしました)
TIUで出会えた友人や経済学部の先生方には、司法試験に合格するまで、たくさん応援していただきました。
色んな人たちと話す過程で、下記に述べるような人生経験が、当時の年齢からしたら、極めて貴重な経験であったと気づくことができ、将来、同じように家庭の問題等で悩んでいる人たちのために働ける可能性がある(もちろん、あまり役立たない可能性もあるし、仕事をする上で辛い記憶がフラッシュバックして足枷になる可能性すらある)なら、その可能性に懸けてみようと思い、弁護士の道を志しました。
TIUで出会えた友人や経済学部の先生方には、司法試験に合格するまで、たくさん応援していただきました。心の底から感謝しております。
大学で知り合った、アルゼンチンの元プロサッカー選手として活躍されていた三須彰(みすあきら)さんは、サッカー選手を引退後、心機一転大学入学をした際、新入生のサポートをしていた私と出会いました。以後、特に合格する前の年からは、精神的に追い詰められていた私を親身になって応援してくれていました。彼のサポートがあったからこそ、悔いの残らないよう勉強に専念でき、司法試験を受けきれました。

(大学で知り合った、三須彰(みすあきら)さんと)
TIU卒業後もお世話になった、ゼミの本多正樹先生、他ゼミですが浮田聡先生は、ロースクールの勉強で参っていた私を、何度も励ましてくれました。

(卒業後もお世話になったゼミの本多正樹先生(写真中央)と浮田聡先生(写真右))
このように、TIUは、成長する機会に溢れていますし、学校側のバックアップ体制も整っているので、自分なりに問題意識を持って(あるいは持とうとして)、これから頑張っていこうとする気概のある人にとっては、素晴らしい成長の場だと思います。
子供の頃の人生経験を糧に、弁護士として児童福祉分野でも社会貢献して行きたい
私は小さい頃に両親を亡くし、児童養護施設(様々な事情があって御両親などと一緒に暮らせない子たちが暮らす施設)や保護司(本来は犯罪者の更生等が任務ですが、私は親族関係でご縁があって、保護司さんの家に下宿する形で面倒を見てもらっていました)さんの下で育ちました。
言葉で語り尽くせませんが、親がいない代わりに、たくさんの方々のお世話になって、今まで生きてこられたし、こうして就きたい職に就くこともできました。
現在は、本来の弁護士業務以外に、委員会活動(簡単に言うと、分野ごとに、弁護士が有志で集まって、様々な活動を行うことです。例えば、子ども関係、消費者被害関係、労働問題関係、貧困問題関係など、色々な分野ごとの委員会が存在します。)として、東京三弁護士会多摩支部の「司法修習委員会」で現司法修習生の世話役をする一方、「子どもの権利に関する委員会」の児童福祉部会にも所属し、児童養護施設を巣立つ子たちのサポートをはじめ、様々な活動に取り組んでおります。
将来は、通常業務以外にも、関心のある児童福祉分野を中心に、自分がどうやって社会貢献していけるか、していくべきか、模索を続けていこうと思います。
これからも、弁護士として今できることを、一生懸命に取り組んで参ります
弁護士登録して早3年目になりますが、一人一人の依頼者と真摯に向き合う過程で、日々働き甲斐を感じております。自分が亡くなってしまった時のために遺言を残したい方の依頼を受けた時は、(遺言に直接書き込むかは別として)その人の色々な想いと共に仕事をしていると感じます。
また、借金整理の依頼を受けた時は、場合によっては財産を手放さなければいけないこともある一大事ですから、どういう整理の仕方をすることが、依頼者のためにベストか、今後の依頼者の生活設計も見据えて、一緒になって考えます。
労働事件で会社側から依頼を受けた時は、内容によっては会社が経済的に大打撃を受ける時もあり、少しでもダメージを減らせるように、最善の弁護をします。
いずれも、弁護士だからこそできることがかなりあります。最終的に、依頼者に満足の行く結果が出れば良いですが、依頼者に納得のいかない結果となる時もあります。厳しい見通しを持たざるを得ない時でも、可能な限り、依頼者の利益のために、言いたいことを代弁します。
色々な形で事件は終わりますが、依頼者の方なりに区切りをつけられた状態でお見送りできると、一生懸命働いて良かったなと、思います。
他方で、私たち弁護士にできることの限界を感じるときもあります。例えば、借金の問題を抱えたり、罪を犯して捕まってしまった人の依頼を受けるときです。一部の交通事故や相続事件のように、時として望まずして法的紛争に巻き込まれるような場合と違い、借金や刑事は、何らかの形で自分がその状況を招いてしまっている(理由はともあれ、無理のある借金を重ねたり、犯罪に走ったり)ことが多いです。
私たちは、法的にお手伝いするだけでなく、依頼者が生活を立て直すための環境調整も考え・行動しますが、最終的に依頼者が生計を立て直せるか、真に更生できるかは、依頼者次第です。私たちも所詮は人間なので、弁護士として今できることを、一生懸命にやって、依頼者が立ち直るための環境を可能な限り整えて、依頼者を送り出してあげる、そこまでを弁護士のミッションとして取り組んでおります。
弊所では様々なご相談を頂いておりますので、皆様におかれましては、万が一お困りの際には、お気軽にご連絡ください。
(石渡次郎さんのプロフィール) | |
神奈川県鎌倉市出身 | |
2007年3月 | 横浜高等学校 卒業 |
2012年3月 | 東京国際大学経済学部経済学科 卒業 本多正樹ゼミ Mellow Dolphin Jazz Orchestra(1年次) |
2015年3月 | 慶應義塾大学法科大学院 修了 |
2019年9月 | 司法試験 合格 |
2020年12月 | 弁護士登録(第一東京弁護士会) |
2021年5月~ | 南多摩桑都(そうと)法律事務所勤務(東京都八王子市) |
メール:ishiwata@minamitama-law.com
Tel : 042-649-3128
FAX : 042-649-3129
相続や離婚などの家族関係、労働問題、交通事故、借金整理、刑事事件など、日々様々な業務を取り扱っております。普段の業務では、可能な限り一人一人の依頼者に寄り添った仕事を心がけております。
(主な役職)
東京三弁護士会多摩支部
2021年7月~ 第一東京弁護士会多摩支部 司法修習委員会委員
2021年9月~ 第一東京弁護士会多摩支部 子どもの権利に関する委員会委員