TIUの精神「真の国際人」を目指し、挫折から文武両道で世界に再度挑む!
大橋正芳さん(2003年卒業 経済学部経済学科 渡邉ゼミ 体育会躰道部)

(40歳以上のキックボクシング王者獲得!)
(40歳以上のキックボクシング王者獲得!)

【はじめに】
初めまして!1998年TIU入学、経済学部経済学科、第34期躰道部出身の大橋正芳と申します。素晴らしい卒業生の皆様、そして現役生のご活躍、TIU出身として大変誇らしく思うと同時に、ここにこうして私は寄稿させていただくこと、ただただ恐縮ではあります。しかし、振り返ってみるとTIUという素晴らしい環境で得た経験や出会いが非常に私の人生形成に大きな意味やターニングポイントをくだったことは確かです。なので、何か一つでも卒業生の皆様や現役生の方へ感じていただけることがあればと思い文をまとめて参ります。どうか最後までお付き合いくだされば幸いです。


↑海外挑戦時代 子供達と武道と教育と。


【TIUでは躰道部で部活一筋、体育賞受賞!】
1998年に入学し、当時は大変な活躍をしていた体育会躰道部に入部しました。当時はなんとなく海外に繋がっていけばいいのかなくらいの入学の志望動機でしたが、躰道という武道にすっかりハマってしまい、朝から晩まで毎日毎日日本一を目指して稽古という日々を過ごしておりました、授業よりもほぼほぼ道場で過ごす日々でした(笑)。

そして2002年、大学4年生の時、運良く私とOBの先輩で組んだTIUチームで世界大会(沖縄開催)で団体戦優勝し体育賞受賞を頂戴いたしました。そこまでは躰道一色線でひたすら没頭しておりました。ただ、TIUでよかったなと思う点はTIUAを経験した先輩や海外で勝負している卒業生の方が多く、感性的に知らず知らずに「世界で勝負する」ことがかっこいいと思っておりました。

そして、その世界大会で衝撃的な出会いがありました。TIU卒の4期生、内田先輩。アトランタで躰道道場を大成功させており、多くの門下生を引き連れて那覇に来られておりました。「日本の文化武道を海外に普及させて凱旋する」、これがめちゃめちゃかっこよくて、この人を目指そう!と決意し部活を引退しました。

【4期の大先輩が創設したアトランタ道場へ】
部活の引退後、いざアトランタでご活躍されている内田先生の道場に飛び込みました。初めてのアメリカ、衝撃でした。TIU卒業生の先輩が単身で乗り込み大成功させたアトランタ道場、日本よりも日本の文化が根付いておりました。押忍の精神と礼儀、稽古への姿勢と熱意、武道生の追及、哲学的な発想や練磨錬成の思考、、、ぶったまげました。これは日本よりも日本だ!アトランタに武道よりも武道がある!と。

そして、何より感銘を受けたのは内田先輩は優秀なビジネスマンでした。躰道の普及には経済的基盤も重要で、最もすごいと感じたのはそもそもアトランタでビジネスを成功させていたことです。異国の地でビジネスも成功させ、武道道場で日本以上の日本文化を具現化し、多くの生徒や関係者に囲まれ尊敬され期待されている。20代前半で衝撃的なシーンで今(45歳)でもモデルケースとして背中を追いかける、そんな出会いでした。TIUに入学していなければあり得ない出会いでした。

帰国前に、内田先輩にお伺いしました。
「内田先輩!自分、先輩みたいになりたいんですがどうしたらいいですか!?」と。
答えは英語を学べとかビジネスをとかかなと思いましたが意外なものでした。
「大橋くん、世界に挑戦したいならまずは日本人として日本をしっかり学びなさい、それが真の国際人、日本人だ。」と。
その言葉を胸に、日本に帰りました。


↑3期の内田先輩が創設したアトランタ躰道協会の稽古


【晴れて日本一獲得!2006年全日本躰道選手権優勝。資金準備していざ挑戦!】
日本に戻り、「海外進出して自分の道場を!」が目標になりました。アトランタの先輩のように世界一の道場を海外で、これがTIUという土壌で学び育った私の目標でした。
当初の目的地は豪州シドニー。そのために二つの目標を作りました。
1、まず個人で日本一を獲得すること。やはり世界に打って出るブランディングでは「日本一」は欠かせないかなと。2、資金。最低でもビザが切れるまで1年は暮らせるようにと。最短で実現できるよう昼は仕事、夜は稽古の生活が始まりました。どんなに仕事で遅くても深夜まで走り、公園で怪しまれながらも武道の練習をし、休日は延々と道場に籠って練磨錬成。間違いなく日本一稽古したと自負しています。

そして約3年後の2006年、血の滲むような稽古と運もあり、晴れて全日本躰道選手権で優勝、日本一獲得!順調に1年以上は暮らせる資金も貯まり、お声をかけていただいたシドニーに意気揚々と乗り込んだのが2007年でした。会社も辞め、住所も移し、成功するまで2度と日本に帰らないと心に決めて挑む、27歳の春でした。


↑シドニーへ海外派遣指導員として挑戦


【挫折から考えらせられた「真の国際人」とは】
シドニーでは最初は好調でした。やはり、「躰道日本一の選手」の威光は強く、当初はリスペクトをもって受け入れていただいておりました。平日はシドニーでトップクラスのNSW大学の部活動で指導し、休日はどこか道場を設立できる場所探しを行う。ただ、今思えば戦略性がなく短絡的な考え、「武道が上手だから成功できるハズ」と勢いそのままでとにかく演武や稽古会を行うのみでした。なにせ日本一の選手が武道後進国の南半球に来たのです。成功できると確信していた、そんな愚かな私でした。 しかし、そんな愚か者に天罰?がくだります。唯一の武器である身体能力を掻き消す、両足が痺れて動かなくなるヘルニアでした。慣れない環境のせいなのかみるみる悪化し、歩くのすらままならない状態に3ヶ月でなりました。当時、自費の医療費は大変高く、しかも両足の痺れというなかなか原因や運動障害が証明しにくい受傷だったので莫大な医療費の割になかなか保険対応が進まず、ただただ軍資金が消えていく日々でした。
そして、大した理念や信念をもたない私の生活は荒廃していきました。契約していた家も破棄になり、ただただホームレスのように昼から公園を彷徨う、地獄のような夢を失った状態でした。 その時のことは一生忘れないと思います、日々自問自答して「武道とは?」「躰道の役目とは?」「世界から求められているものは?」そして、「真の国際人とは」。
日本に帰るという選択肢は全くありませんでした。いつか治って、いつか復帰できて、いつか成功できる、そんな治療だけに専念をする生活でした。

【帰国、そして日本で道場と会社設立から10年】
そんな状態でしたが、日本にいる先輩から「手術と入院を用意できる」とお声をかけていただき、リハビリを約半年、復帰まで1年かけて治療しました。その期間、振り返りの中心にあったのは「真の国際人」であれという、TIUの先輩、アトランタの内田先輩のお言葉でした。
まず、日本で日本人として信念を持って成功しよう、そしてそこから世界に再挑戦しよう。 日本で確固たる信念を錬成し、本当の価値ある国際人として再出発したい、そんな思いでした。 最初に東京に躰道道場を作りました。日本一の道場を目指し今年で10年目。昨年は東京道場では初となる全国大会総合準優勝まで破竹の勢いで上り詰め、日本一まであと一歩というところまで来ました。次に起業しました。日本の経営者を対象にしたブランディングやコンサルティングを行い、こちらも今年10期目となり多くの経営者様にお世話になっております。
そして、この10年を機に私も改めて世界にと決意を固めております。


↑東京に戻り創った道場、昨年は全国大会で総合準優勝!


【2社目設立、いざ!遥かなる海外再挑戦へ】
道場、起業したビジネスが安定し、次は2023年にハワイに新しく会社を作りました。日本から世界進出に挑戦する経営者向けのコンサルサービスです。ここではハワイ、アメリカ進出のみならずアジア市場展開のお手伝いもしております。日本企業の志ある経営者様が「真の国際人」を目指し世界展開する、そんな情熱をご支援する企業です。
ここでは現在、日本の食品をハラル市場に市場投下するビジネスや、日本文化である懐石料理のNY進出、焼肉屋のハワイ進出などをご支援しております。まだまだ拡大していく予定です。

【2024年に40歳以上のキックボクシング王者獲得!】
この10年は自身の道場、そして起業したビジネスを波に乗せることに時間を使いましたが、そんな折でも自己錬磨は忘れておりません。いつまでも挑戦したいという思いから「アンチエイジングファイト」という年齢を超えた戦いの場、40歳以上の日本最強を決めるシニア(マスターズ)キックボクシングにおいて8連勝し、チャンピオンにもなりました。世界進出のためのビジネス経営を展開しなはら道場運営、そして2度目の日本一。
時は来ました。


↑40歳以上のキックボクシング王者獲得!



これを機にある挑戦の決断をしております。
もちろん「真の国際人」として世界進出、です。
世界一の武道道場を、世界と繋ぐビジネスを、かつての挫折を糧に再度挑戦します。

運命を、理想を与えてくれたTIUの学び場で得た夢を実現すべく45歳ですがまだまだ挑戦して参ります。長文駄文になりましたが最後に、この記事を読んでくださっているTIUの卒業生の皆様、在学生の皆様、いつか世界で人生が重なれば最高です!




【大橋正芳さんプロフィール】
1979年 埼玉生まれ
2003年3月東京国際大学卒業 経済学部経済学科 渡邉ゼミ 体育会躰道部

卒業後、20代は東京国際大学の部活動での経験を生かし、日本武芸(躰道)の海外派遣指導員としても世界普及のため活動を行う。
その後、東京でITコンサル会社の法人営業部長として上場企業の経営層向けにコンプライアンスをテーマに1000社以上へ講演。
2017年からはアジア最大のPR会社にジョインした米国(Hawaii)企業所属、2019年にはその(株)ベクトルグループ3000人から最優秀セールス賞(MVP)受賞。
現在は起業し、経営コンサル会社を東京、米国ハワイにて2社経営。
また、ビジネス以外の活動では沖縄エリアの一般社団法人の代表理事として貧困層向け教育拡大プロジュエクトを遂行中。また東京ではNPO法人日本武芸躰道協会の師範として小中高生の門下生60名に指導/次世代育成も手掛ける。

主な受賞歴:2006年全日本躰道選手権優勝、
2019年(株)ベクトルグループ最優秀セールス(MVP)受賞、
2024年キックボクシング王者(40歳以上の部)獲得 

 

TIU 霞会シンガポール支部