留学を通して培った困難でもやり抜く力。キャリアもプライベートもあきらめないこれからの未来のために。
舩形史美(旧姓)さん 国際関係学部2008年卒 / 小室ゼミ TIUA 2003年生 南オレゴン大学(Southern Oregon University) リベラルアーツ社会学 2007年卒

舩形史美(旧姓)さん

勉強にも遊びにも精一杯だった2度の留学時代
TIUA(ASPプログラム)に参加することは、留学はおろか海外旅行もしたことがなかった私にとって勇気のある決断でしたが、両親の後押しもあり10か月という長期のプログラムに参加しました。
私にとって音楽や映画を通して知るアメリカは憧れの国でした。だからこそ意味がある留学にしなければいけないと、TIUAプログラムでは必死で、精一杯な日々だったように思います。 夏休みなど長期休暇では、独りバックパック一つで、カルフォルニアを縦断したり、ニューヨークに数週間滞在するなど、アメリカで行きたかった場所を巡り、滞在することができとても嬉しかったです。
一人でアメリカ内を行動したことで、結果的に英語力はもちろん、コミュニケーション力や交渉する力が身についたと思います。そういった経験の中でアメリカという国の良い面もそうでない面も知り、単なる憧れではなく現実としてもっと深く知りたいと思うようになり、プログラム終了後にアメリカに編入留学することを目指すようになりました。
私がTIUAのプログラムに参加している間も、すでにTIUからWillamette大学へ編入し切磋琢磨している先輩の姿を見て、その思いは一層強くなっていったように思います。

(TIUA時代 お揃いのTシャツで寮の仲間と/14年後の再訪問)

10か月のプログラムを経てもなお英語力が全く足りず、一度帰国し猛勉強し、編入試験を受け南オレゴン大学(SOU)へ編入することとなりました。
社会学を専攻したのですが、かなり本を読まないといけない学部で、しかも3年生からの編入ということもあり勉強面では大変苦労しました。担任の先生に相談し、毎週個別の質問時間をもらい、学内にある学習サポートを駆使するなど、色々なサポートを得てなんとか勉強についていったように思います。苦労のかいもあり、卒業時には成績優秀者のリストに載り、卒業後数年後教授に偶然会った際には「優秀な生徒だったことをよく覚えている」と言ってもらったのは良い思い出です。

2度の留学を通して、アメリカはもちろん、ヨーロッパやタイや台湾、ハワイなど世界中に友人ができたことは大きな財産です。卒業後も海外旅行を兼ねて友人を訪ね、日本を訪れた海外からの友人と再会し、交友を続けています。また、同じ日本から留学した友人も海外で活躍したり、事業を成功させるなど自ら道をきりひらいている仲間が多く、刺激を受けています。


 (南オレゴン大学卒業式に両親と)

遠回りの道のりこそが自分の将来を切り開く鍵
南オレゴン大学では社会学を専攻し、同時にコンピューターサイエンスを副専攻として卒業しました。当時ITの世界に将来性を感じていたことから、日本に帰国し通信系IT企業に就職し、プログラミングやシステム導入のプロジェクトに携わりました。
専攻だった社会学に関連する職業でもなく、留学したのに英語を全く使わない就職先でしたが、将来的に英語ができるIT経験者は人材価値が高まるのではないかという目論見があってのことでした。また、家庭を持っても働き続けることができる企業風土の就職先を選びました。そのIT企業では産休育休をはさみ9年ほど在籍し、ITの基礎の基礎からプロジェクト運営、クライアントと直接コミュニケーションをとる営業を経験した後、大手外資のコンサル会社のテクノロジー部門に転職しました。

外資のコンサル会社は日本企業にはないスピード感、風通しのよさがあり、さらに個々人が存在価値を発揮し、結果を出すことにコミットすることが当たり前で、それまでの日本企業とは真逆の文化でした。そのため、自分のマインドセットや行動の癖をアジャストすることにかなり苦労しました。最初に関わったプロジェクトではほとんど価値を発揮せずに終わってしまったものの、周囲に恵まれ、かなり丁寧に教えてもらい、鍛えてもらったことが大きな財産となり、現在までタフな仕事でも通用できていると感じます。
多くのグローバルプロジェクトに携わり、日本からヨーロッパやシンガポール、インドやアメリカなどと共同して進める場面では留学時代に培った語学力が活かされています。考え方や文化の違うメンバーが多数の中、仕事の進め方の違いや、協働することの難しさもありますが、それ乗り越えてプロジェクトが成功した時の達成感は何にも代えがたいものがあります。
規模の大きなグローバルプロジェクトも多く、自分の携わったプロジェクトがニュースや経済誌に載ることもあり、微力ながらも世界や日本の経済にインパクトを与える仕事ができていることに誇りを感じます。
遠回りしたようにも感じますが、結果的に留学を通して経験したことや社会人になってから鍛えたスキル全てが今の自分のキャリアに到達するには必要なことだったと感じています。

働く女性としてのキャリア、これからの未来のために
IT企業時代、社会人5年目の頃に第1子を出産しています。ようやく女性も出産後働き続ける人が増えてきた頃でしたが、まだ働き続けることはできてもキャリアアップは望まない(望めない)のが多くの働く女性の現実でした。今でこそ働く女性、特に子供のいる女性のキャリアを阻む障害が“マミートラック”や“ガラスの天井”と言われ、問題視されていますが、当時は当たり前の価値観でした。例に漏れず、私も当時は子供を持ちながらの大きなキャリアアップは難しいと考えざるを得ない状況でした。
一方で、同じ南オレゴン大学出身の夫はキャリアアップ転職に成功し、やりがいのある仕事に就き、子供も産まれ、公私共に充実していました。
同じ大学出身なのに、順調にキャリアを積んでいく夫に対して、出産を機にキャリアを諦め停滞する自分。私も学生時代頑張ってきたのに、それは意味がなかったと社会に突きつけられているようでした。

転機となったのは、それから数年後、オレゴンを家族旅行で訪れTIUAと南オレゴン大学を訪ねたことでした。当時のTIUAのスタッフの皆さんにお会いし、Willamette大学や南オレゴン大学を訪問することで、留学当時の思いや切磋琢磨した日々を思い出し、 「あんなに頑張って人生を切り開いていったのに、このままで良いわけがない。」と強く思うに至りました。
帰国後、夫の後押しもあり、転職活動の結果、現在の外資系コンサル会社への転職というキャリアアップの機会に恵まれました。転職後も苦難の連続でしたが、管理職になり、その後もさらにキャリアを積めているのは、留学時代に養った目標に向かって行動しやり抜く力が活かされたこと、そして娘を持つ母になったことが大きいです。いずれ社会に出る娘たちに、女性であることで本来の自分と異なる”あるべき姿”に縛られたり、何かをあきらめたりすることがないような未来を用意すること、それが私の夢であり大きな目標です。

(2017年TIUA、Willamette大学、南オレゴン大学への訪問)

目の前にチャンスが巡ってきたときに、そのチャンスをつかめるように
大学卒業時、自分の専攻も英語力も関係のないITの世界に飛び込みました。ITの世界では英語ができる人が少なく、将来的に英語力とITスキルを両方兼ね備えることが自分の強みになると考えたからです。結果的に外資系コンサル企業でグローバルプロジェクトに携わり、両方のスキルを活かせています。

現在の私は、昨年(2024年)11年ぶりの出産をして1年以上夫婦で育児休業を取得し、思う存分子供と向き合うことができる生活ができています。
これは、共働きでも女性が家庭や子育てのほぼ全てを担うのが当たり前だった11年前の第1子の出産時にはしたくてもできなかったことです。

キャリアもプライベートも、目の前にチャンスが巡ってきたときに、そのチャンスがつかめるよう、経験を積みスキルアップをして準備しておくことが大事です。
大きな夢ではなくても、どのように生きたいか、なりたい自分をぼんやりと描いたら、5年後、10年後の世の中はどうなっているか、その時に自分の武器になりえるものは何か、自分は今から何が準備できるか、想像力を働かせてみると良いと思います。
そして変化に対応するだけではなく、自分が世の中を良い方向に変えていく存在であることを忘れないで欲しいです。


 


(舩形史美(旧姓)さんプロフィール)
 福島県いわき市生まれ、宮城県仙台市出身
2002年東京国際大学入学
2003年TIUAプログラムに参加
2005年オレゴン州立南オレゴン大学入学
2007年オレゴン州立南オレゴン大学卒業 リベラルアーツ卒
社会学専攻/コンピューターサイエンス副専攻
2008年東京国際大学国際関係学部卒業
2008年ドコモ・システムズ株式会社入社
2013年第1子出産
2017年アクセンチュア株式会社へ転職
2024年第2子出産


 

TIU 霞会シンガポール支部