ラグビー部の再建に向けて
私は1994年に商学部商学科を卒業した塩原裕之と申します。これを読んでいるOB・OGの皆さん、皆さんが学生時代に所属したクラブやサークルが現在の大学でも活動をしているか否かご存じでしょうか?私は体育会ラグビー部に所属していたので、10年ほど前にはラグビー部が休部しているという事を大学関係者から聞き、非常に寂しい思いを持っておりました。
皆様がご存じの通り昨今、大学は箱根駅伝など駅伝部、サッカー、ウエイトリフティング、野球(他スポーツ部も複数有り)などの強化部に関しては部員の確保や支援などでサポートがありますが、ラグビー部は対象外でした。母校の大学でのラグビー部がない状況で何とか復活を出来ないものかを考える日々でした。当たり前ですが、一度休部した部活を復活させるには、一から部員を集めなければなりませんでした。


大学職員で川越のクラブチームでラグビーをやっている方にメールを送り、ラグビー部を再建させたい旨の連絡もしました。何かラグビーに興味を持った学生がいたら紹介して欲しいと…。 必ず、学生の中にはラグビーをやりたい者がいるはずだという思いからでした。そうして時が経って、暫くすると興味がある学生(経験者)がいると大学関係者から聞き、大学まで出向き、是非、ラグビー部を再建して欲しいことを学生たちに伝えて、ラグビー経験者が4名くらいで再スタートを切りました。皆さんが知っているラグビーは15人で行う競技だと思いますが、幸いな事に7人制ラグビーという人数が少ない場合でも出来る競技があります。こちらはオリンピック競技にも採用されている競技で、先ずはこちらからの活動を目指しました。 並行して、ラグビー部のホームページの作成も自費で手配しました。何も発信していないと、大学にラグビー部があること自体、認識されません。情報化社会やSNSの時代でもありますので、ホームページの整備も選手の写真をアップしたり、私が出来るだけの準備をしてきました。新入生への対策です。一から作り出す喜びも遣り甲斐になってきました。 2019年の5月から練習を始めて、人数も助っ人も加わり、ぎりぎりの7名が集まり10月の7人制の公式戦を行うことが出来ました。そして麻布大と横浜市立大、横浜商科大と対戦し、点差は僅差でしたが3勝して大会の結果はなんと優勝でした。トロフィーも協会から頂きました。 強豪の目黒高校でラグビーに出会い、東京国際大学ラグビー部へ 当時の目黒高校は俗にいうスパルタでした。朝練、昼連、授業後の多摩川河川敷での長時間の練習があり、1年間の休みは数えるほどで、しかも高校1年時の後半からは寮生活でした。高校生活の全てがラグビー中心となり、厳しい練習に耐え、練習時間や試合数などでは他校には負けない自信もありました。特にタックルが評価され1年時の後半からFWでのFLやNO8でレギュラーにもなりました。(しかしながら後にタックルでの脳震盪の回数が多く、自分では高校でラグビーを一区切りと考えていました。)高校3年の花園予選では、準々決勝で国学院久我山に敗れ高校生活は終わりました。進路は当時の自己推薦で商学部商学科に入学し大学でも4年間続け、4年時には主将も務めました。 現在はラグビー部の監督(ボランティア)と通常時の仕事は外国人人材紹介の営業マンをやっています。主に週末の土曜日に川越のグランドや8月には夏合宿の菅平へも行きました。 ラグビーは人生に例えることがあります。楕円球はどこに弾むかは分かりません。右に行くのか、左に行くのか?跳ね返ってくるのか?でも、そのチャンスは全力でプレーしていれば掴めるチャンスが高まります。また、苦しい時には相手との我慢比べです。必ず試合では全力を出すことの大切さ、自己犠牲の精神の大切さも学びます。自分のタックルで相手がボールを落として、味方がそのボールを持ちトライのためにゴールに走ります。
一応、優勝と言う形でチームに弾みが付き、その年は日本でのラグビーワールドカップが開催され、日本チームも強豪チームを撃破しベスト8進出となり、忘れもしない翌年の1月にOBを集めて優勝報告会を開催しラグビー部は追い風に乗って、4月のラグビー部員が何名入るか楽しみだね~と学生やOB同士で話した数日後に横浜港の大型客船のコロナのニュースが入ってきました。2020年からのコロナ禍の始まりでした。
その後は皆さまの承知の通り、その年の新入生たちは、部活動はもとより、学校自体に登校しなくなりました。その年は活動が出来ませんでした。再び、再活動を始めたのは2021年でした。その時の成績は残念ながら、公式戦は2敗となりました。
途中ですが、私の自己紹介とラグビーとの出会いのことについて語りたいと思います。
私自身、ラグビーは高校時代から始めました。同世代の方々なら分かるかと思いますが、当時は「スクールウォーズ」という高校ラグビー部の弱小チームが数年後に全国大会で優勝を遂げる人気ドラマが放送されており、当時、強豪高校と言われた目黒高校に入学しました。
中学生までは野球、水泳、柔道をやっておりましたが、高校はラグビーをやりたいと思った訳です。楕円のボールへの憧れや思いっ切り相手を倒すタックルに興味を持っていました。
辛いことも沢山ありますが、私が大学時代に体得したのは目黒高校時代のスパルタでもない真逆のラグビーでした。ラグビー好きな部員が集まり、楽しむという「本来あるべきスポーツをやる目的」を実践する部活でした。ちなみに現在の東京国際大のラグビー部のモットーは「エンジョイラグビー」です。選手たちもラグビーを伸び伸びとやっています。


ラグビー部の活動の経緯 同時に中途採用で大学職員になったラグビー経験者の堂内コーチの手助けもあり、やっとラグビー部が形になってきました。ラグビー部が強化部に選ばれなかった事で、私はメリットもあると思っています。強化部に指定されれば、リクルートで入部するのは、経験者のみですが、東京国際大ラグビー部には、大学から初めてラグビーを始める者もおります。様々なスポーツの要素がラグビーにも活かせる訳です。そして、未経験者歓迎を打ち出し、積極的に一般学生を勧誘出来るのは大きなメリットであり、一から始められる部活なのです。事実、大学から未経験でラグビーを始めた部員は現在6名もいます。 また、留学生が入部出来る部活でもあり、今迄に南アフリカなど様々な学生でワンチームを目指せる訳です。今、現状では、ラグビー部員は17名(MGを含み)になりました。
この秋には7人制の公式戦の大会と15人制(3大学合同・東国大・創価大・埼玉大)の試合の日程も決まり。勝利に向けて日々、練習しております。先日も合同練習に参加しましたが、他大学の学生と一緒に試合をして苦楽を共にし、勝利を目指す仲間になる事で大学を超えた交友関係も拡がり必ずや人生に於いても貴重な良い経験になると思います。 創部60周年記念祝賀会を開催しました
話をラグビー部の活動の経緯に戻します。それ以降も活動を重ねて継続しました。
コロナ禍以降、少しずつ地道に活動して行き、2023年の新入生でラグビー経験者が4名入り、嬉しい誤算もあり、着々とラグビー部が賑やかになってきました。
2025年6月28日には池袋キャンパスで創部60周年の記念祝賀会兼懇親会が開かれ、1期生から現役学生までの約60名の方々にご参加を戴きました。1期生の方は80歳でした。やはり、現役学生がいるのと、いないのでは大きく異なります。一旦、休部を経験して、ラグビー部の活動が0になった事を知る側からすれば、地道にラグビー部のメンバーを集めて、現在、活動していることはOB・OGからすれば嬉しい訳で、寄付も戴くことができました。今後は二度と休部に成らない様に皆で力を合わせて精進して参りたいと思います。

エンジョイラグビーを実践して、ラグビー部を盛り上げていきたい 私はラグビー部の監督をやっていますが、あくまでもボランティア活動です。見返りなどはありません。ラグビーが好きで、現役学生の顔を見て、その学生のプレーが成長したり、彼らと一緒にいて、話して、時にはパスを一緒に練習したりすることが楽しいのです。
私が皆さんに伝えたい事は、是非、たまには大学に目を向けて欲しいと言うことです。秋霞祭の名称がインターナショナルフェスティバルに変わり、大学構内には様々な国の留学生も見掛ける様になりました。キャンパスも池袋キャンパスも新設され、部員が分かれて練習するときもあります。色々と大学の環境も変わってきました。是非、皆さん、学生時代に自分が所属した部活やサークルがどうなっているかも調べてみて下さい。貴方の手助けを求めているかも知れません。(私の現役学生時代に比べ様々な部が活動停止になっています)


休部だったラグビー部が今夏には、菅平に行き、東京理科大や駿河台大、学習院大、東北学院大の学生らと合同練習や試合などが出来た幸せを、今、噛みしめています。 現在のチームの雰囲気は最高です。1年生で4月から未経験者で入部し、ラグビーのプレーが成長した学生をみると凄く嬉しいです。僕は、部員たちに話します。「ラグビーはキツイ、辛い、痛いスポーツだけど、苦しい中での楽しさを見つけよう」とこれからもチームモットーのエンジョイラグビーを実践して行き、これからもラグビー部を盛り上げていきたいと考えています。(勿論、楽しむことと同時に試合での勝利と大会結果も追求します) 東京国際大学ラグビー部の応援をよろしくお願いします。 是非、機会があれば東京国際大ラグビー部を是非、応援して下さい。部の情報(部員・試合予定等)はホームページにアップしています。
7年前は部員0人で何も出来なかったチームが、現在は17名になりました。来年は20名以上のチームに成れるように頑張って行きます。(職員の堂内コーチと共に)
通常、こちらの投稿欄はOBやOGの皆様が携わっているビジネスに関しての記載が多いかと思いますが、私は部活の再建についての記事を中心に書かせて戴きました。こんなOBもいるのだなと知って戴ければ幸いです。若い現役学生と交わりラグビー部に携わる事は気持ちの部分でも若返ります。また青春時代を2度経験している様な気持ちになります。それが私の遣り甲斐に繋がっているかと思います。これから10月・11月に公式戦もありますので、試合に勝利出来る様にチーム一丸となり頑張って行きたいと思います。ここまで読んで戴き有難うございました。
東京国際大学ラグビー部ホームページ https://club-rugbytokyo.com/
卒業後は人材ビジネス企業の営業を複数経験して、現在は外国人人材紹介会社の日越貿易㈱で営業マンとして勤務しています。(塩原裕之さんプロフィール) 1971年 群馬県生まれ 1989年 目黒高校(現・目黒学院卒業)
1994年 東京国際大学 商学部商学科卒業 三村ゼミ
日越貿易株式会社ホームページ https://nipbe.com/jp/about-us.html
一回戦は合同チームでしたが、棄権による不戦勝、2回戦は、山場となった埼玉大チームと対戦して、後半の後半で逆転をして19対14で勝利をし、決勝戦で横浜市立大と対戦して26対0で完封勝利を上げました。
学生たちには、やれば出来ると感じてくれたと思いますし、この経験は必ずや彼らの人生の糧になると思います。一つの結果が出てくれて本当に嬉しかったです。皆に感謝です。

