国際物流業でアメリカ,ドイツ,オランダ3か国を経験
津田 秀さん(1991年卒,商学部商学科,高山ゼミ)

(後ろのユニホームはオランダで日本人の子供達にサッカーを教えている団体、J-DREAMのスポンサーをしており、子供達が着てくれているユニホームです。)

 1991年4月に西日本鉄道株式会社、航空貨物事業部に就職致しました。就職するまでは物流に対しての理解がなく、商学概論で学んだFOB、CIFなどのINCOTERMSすら忘れており、全くの新しい分野への取り組みでした。学生時代を通して海外に旅行も行ったことがなく、海外赴任など考えることもありませんした。

入社2年目で転機が訪れ、LOS ANGELESで研修生活を経験。
 西鉄に入社し最初に配属されたのが、航空輸出を取り扱う営業所でした。新入社員なのに少し年齢が高かったこともあり、当時の所長から内勤の勉強もそこそこに即外回りに行けと言われ、右も左も分からいまま営業に出ていたことが今となっては懐かしいです。恥ずかしならが、お客様からの依頼で、FOBで出荷しておいてと言われ、FOBって?と聞き返すほどの“すっとんきょな営業マン”でした。ただ、明るさと、元気が良かったのでお客様、会社の諸先輩方に可愛がってもらい転機が訪れたのが2年目です。30年以上前から西鉄は海外研修制度に力を入れており、当時は毎年4人(現在は全世界に9人)をアメリカとイギリスに1年間研修生の派遣を行っておりました。社内試験があるのですが、当時の所長が推進してくれ、英語筆記と面接試験をまぐれで合格し、アメリカのLOS ANGELESで研修生活を送ることとなりました。自身で出来がよいと思ったことはないのですが、ここからが海外生活の本当の始まりかもしれません。研修後は東京に帰任し、2年営業所、2年新規顧客開拓を行う開発部隊を経験し、アメリカのNEW YORKへの赴任、厳密に言うとすでにアメリカ現地法人への出向となり、正式に海外駐在員となりました。

アメリカ(NEW YORK)からドイツ(DUSSELDRF)駐在で国際物流の経験を積みました。
 NEW YORK時代は若さもあり、一番仕事をし、経験を積んだ時期かもしれません。物流業は朝が早く夜が遅いは通例で、朝は7:30に出社、帰りは日が変わり12:00が毎日、金曜日に至っては2:00か3:00の帰宅で、当時のはやり言葉である“花金”が本当に羨ましかったです。毎年の様に転勤の話が貰いながら結局NEW YORKでは9年間勤めました。NEW YORKからドイツのDUSSELDRFに転勤し、そこで3年駐在し日本に本帰国となりました。帰国してから毎年の様にマニラ、インドへの赴任の依頼を頂きましたが、当時持病があり赴任できる状態でなく、今でも完治はしておりませんが医師との相談上、海外赴任が出来るということで2016年に現在のオランダ社への赴任を受けました。

現在はオランダ勤務で5年目。既に赴任時の目標達成をし、後進に繋いでいきます。
 オランダ社は今年で5年目になります。赴任した時は累積赤字と債務超過での借入金があり、まずその解消に翻弄し、2018年で累積赤字解消、2019年6月に借入金完済と、赴任時に挙げた目標を達成することが出来き、選んで頂いた会社にも恩返しができたと思っております。今年はコロナの影響もあり、苦戦が続いておりますが、何とかこの苦しい状況を乗り越え後進に綺麗な形で譲りたく思っております。
 大学時代は全く出来の良い学生ではありませんでした。大学時代の友人、高校、中学時代の友人とも今でも交流があるのですが、“津田が海外、しかも現地法人の社長”と今でも驚かれる始末です。正直自分でも学生時代、そして就職前もこのような人生を歩むとは想像もしてませでした。西鉄人生も後10年を切りました。今後は後進を更に育て、西鉄の更なる発展を望んでます。


(オランダの日本企業対抗のサッカートーナメントの参加した時の写真です。)

与えられた仕事を精一杯こなし、そのこなした中から未来を見ることが大事。
 西鉄での人生を振り返って、自分の生き方を考えると一つだけ自信を持って言えることがあります。それは遠くを見ないで、与えられた仕事を精一杯こなし、そのこなした中から未来を見るでしょうか。目の前のことをいち早く行うことが、やはり一番の近道かもしれません。それと人の繋がりを常に大切にしてきたつもりです。勿論学生時代の友人もそうですが、会社人生で出会った方々に支えられてきたのも事実で、感謝しかありません。初めて配属された当時の営業所長はもう10年以上前に引退されましたが、今でも年2回、囲む会を催して当時の仲間と飲んでます。
 今の東京国際大学の学生さん達はもっと海外が身近になっていると感じてます。グローバルという言葉にも違和感がないのではないでしょうか。以前から東京国際大学はグローバルな試みを色々とやられているので、これからの学生さん達にはチャンスがあればどんどん海外に出て行って貰い、海外経験を通して、人、文化に触れ、さらに日本の良さ、日本人の素晴らしさを理解して頂ければと思っております。まだ海外赴任中ですが、3か国を経験してもまだ海外生活は刺激的で、勉強の毎日です。まだちょっと先ですが、引退してもこの経験を活かし、新たな事に挑戦したいと今から準備してます。

(津田 秀 / つだ しげる)さんプロファイル)

  •  
  • 東京都出身、小平高校卒業
  • 1991年3月
  • 東京国際大学商学部商学科卒業 高山ゼミ
  • 1991年4月
  • 西日本鉄道株式会社入社、航空貨物事業部勤務。その後 ,アメリカLOS ANGELESで研修(1年間)、NEW YORK駐在(9年間)、ドイツDUSSELDRF駐在(3年間)を経て勤続29年。
  • 2016年から
  • 西鉄オランダ現地法人、NNR Global Logistics Netherlands B.V. 社、社長就任、現職中

    TIU 霞会シンガポール支部