途上国援助は未知との遭遇。次はベトナムへ
石田幸男さん(商7期、1975年卒、柴沼ゼミ)

ウズベキスタン・サマルカンドのレギスタン広場(世界遺産)にて
ウズベキスタン・サマルカンドのレギスタン広場(世界遺産)にて

1975年に大学卒業後、JICA(国際協力機構)に40年以上勤務しました。JICAの仕事は途上国援助であり、保健医療から鉱工業や社会開発と、幅広い分野にわたっています。保健医療協力援助を行う部署に配属されたのを皮切りに、ほぼ3年に1度の人事異動があり、毎回未知の世界に転職するような仕事をしてきました。海外勤務も8ヵ国(バングラデシュ、シンガポール、ケニア、フィリピン、モンゴル、ベトナム、ウズベキスタン、ボツワナ)20年以上。振り返れば社会人以前、国内勤務、海外勤務がそれぞれ20年ずつと、なかなかバランスの取れた生活ですね。

7期生としてTIUを卒業したのはずいぶん前ですが、働き出してからもTIUとの縁が切れることはなく、今までに母校の関係者と接触する機会が何度かありました。たとえば、東京ではJICAが取り組む途上国援助などについて講演会をしましたし、フィリピンでは、故下羽教授率いるスタディツアーの学生に対し現地事情紹介したり、モンゴル勤務時には、日本語教育についてお手伝いをしたりしました。


フィリピンのJICA事務所にて故下羽教授とゼミ生の皆さんと

ウズベキスタン勤務時には、ウズベキスタン人留学生のE-Trackへの応募促進で、大学との橋渡しのお手伝いをさせていただきました。年を追うごとにTIUの発展が感じられたのを思い出します。

2019年にJICAの仕事を卒業しましたが、現在は縁あってベトナムのホーチミン市師範大学日本語学部の顧問として、日本との交流関係の仕事に携わっています。ベトナムは国中が前を向いて進んでいる姿勢が感じられ、これから益々面白くなる国だと期待しています。

海外で日本人は、「礼儀正しく、誠実で、努力家である」との良いイメージを持たれています。在外での生活では、日本人であることを大変ありがたく思う機会が多くありました。このような高い評価は先人の努力の積み重ねのお陰であり、大きな財産。この良いイメージと評判を失わないように行動したいと思っていますし、皆さんにもぜひそうあってほしいと思っています。そして、どこの国でも最終的には人との良好な関係が一番大事でした。いい友達、いい先生、いい先輩など、人との信頼関係をうまく築いていくことが、自分にも周囲の人にとっても一番ではないでしょうか。


ウズベキスタン日本センターにてスタッフと700,000人目の訪問者を祝う


(石田幸男さんプロフィール)
1975年3月東京国際大学商学部卒、柴沼ゼミ
1975年4月から2019年までJICA(国際協力機構)に約45年間勤務。
海外勤務地はバングラデシュ、シンガポール、ケニア、フィリピン、モンゴル、ベトナム、ウズベキスタン、ボツワナの8カ国に渡る。
2019年よりベトナムホーチミン市師範大学日本語学部顧問として、日本との国際交流に従事中。

TIU 霞会シンガポール支部